富士堂漢方医学研究所

KAMPO PRACTICE

漢方臨床

富士堂漢方医学研究所

2018/05/24

 

漢方臨床

CSI方証医学の漢方臨床実践

お蔭様で、2018年10月末時点まで、富士堂漢方薬局ではのべ12000のお客様のご利用を頂いております。患者様のご信頼を心より感謝いたしております。

富士堂では、拙作「漢方求真 体質・症候・病から探求する薬方の証」の書いたように、患者様の病状やお悩みを個々の体質、症候、病から丁寧に分析したうえ、最適薬方の使用目標(証)を抽出してオーダーメイド漢方で治療しております。そのため、ほとんどの患者様が効果が感じられております。

付:「漢方求真 体質・症候・病から探求する薬方の証」序文の一部


 「漢方診療とは目の前の患者さんに最適な薬方を見出し治すことであり、即ち証と薬方の対応関係をはっきりさせるプロセスである。

 漢方の証をどう見いだすか、個々の生薬及び方剤に対応する証をいかに正しく用いるかは、漢方診療にとって最も重要なテーマである。どこから証にアプローチするか?薬方との対応関係をどう追究し特定するか?

 私は前人諸賢の研究や論述を参考にしたうえ、薬証・類方・体質・症候などに関する己の研究や臨床から、下記のアプローチ法(第一章参照)を編み出した。

 ①  証とは体質、症候、病の三要素の重なりあう部分である。

 ②  体質の分類は桂枝体質、麻黄体質、柴胡体質、半夏体質、石膏体質、大黄体質、黄耆体質、地黄体質、乾姜体質という九種類の生薬の名を冠する体質及びそれらの複合体質、不明体質を提唱する。この方法論でいう体質分類は薬証に基づいた生薬体質を基盤とした分類法であり、曖昧なものではない。臨床では大変実用的である。この九種類の生薬は個性が鮮明でかつ臨床で繁用され、類方も多い。また、それらの薬証は比較的安定であり、体質的意義が極めて大きい。

 ③  症候は主観的な症状および客観的な徴候のことを指す。症候の出現頻度から、主症(ほぼ必ず現れる症候)と客症(場合によって現れる症候)を分けてまとめ、方証に対する理解に寄与する。

 ④  病は証の一要素であり、処方にも対応する。そのため、方証を規定する時は病の要素が欠かせない。病ではなるべく現代医学での病症名を挙げるが、必要であれば伝統的病症名(例えば太陽病、太陽中風、消渇、痰飲病、黄疸など)も併せて挙げる。

 ⑤  体質、症候、病から方証を特定するが、場合によっては三者の重みが均一ではなく、体質色が薄いこともあれば、症候や病が重く関わることもある。特に、体質の診断は病毒が弱い外感病、慢性疾患、雑病、生活習慣病などには極めて大切である。常に証の三要素の重みをはかりながら診療することが大切であろう。

 これまで35年間の中医学や漢方医学の勉強と実践で生薬に対応する体質・症候・病から薬方の証を探求し続けてきた。そのなかで本書に示す方法論基づいた臨床での著効例が驚くほどよく見られた。」

富士堂での漢方臨床はCSI方証医学の実践であり、より深く研究して患者様の健康に役に立っていきたいと思います。これからもご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

富士堂漢方医学研究所 所長 許志泉